2026.02.18

10年の歳月が「木」を「宝」に変える【大喜工務店視察レポート】

「天然乾燥の木は、鍛えて強度を高め、繊維の間に精油成分を固めているんです。」圧倒的な大きさの材の前で語られる言葉に重みを感じます。

真ん中の材は1尺5寸(約45cm)。十分大きい周りの材(8寸(24cm)以上)すら小さく見えます

大径材天然乾燥試験「Neba Scale(ネバ・スケール)」のプレスにお寄せいただいたご紹介をきっかけに天然乾燥のヒノキ使用の無添加骨太高断熱住宅を建てる滋賀県の大喜工務店を訪ねました。木と向き合い、100年先まで安心して心地よく住める強さと価値ある住宅づくりについて伺いました。

「10年、30年」という圧倒的な時間軸

大喜工務店ではヒノキの1尺(約30cm)角であれば10年、ケヤキに至っては30年もの歳月を乾燥に費やすといいます 。ヒノキの場合、1寸(約3cm)につきおおよそ1年乾燥させるという、極めてシンプルでありながら重みのある十分な期間を取っていました。

天然乾燥によって、鍛え抜き繊維の強度を高め、時間をかけて赤身に含まれる油分を固形物として定着させる。そして油分が定着したヒノキの赤身の材は、たとえ野ざらしにしても水が入り込む余地がなく、腐食やシロアリを寄せ付けないと伺いました。実際、視察先では広い資材置き場にこれでもかとヒノキが置かれ、鍛えられているという様子が圧巻でした。

畑を囲むように天然乾燥している材が並んでいます

大径材が支える桁違いの安心感

大喜工務店の家づくりは、物理的な安心感に溢れていました。

まず目を引くのは、柱の太さです。一般的な木造住宅の通し柱では3.5寸角から4寸角(約10.5〜12cm)の柱が主流ですが、ここでは最小でも6寸角(約18cm)を通し柱に使用し、大黒柱に至っては8寸角以上のものを使用しています。伺った住宅でも大黒柱や四隅にはとりわけ大きな通し柱が据えられ、それらが家全体の骨格を強力に支えていました。

また、床の厚さは111mmに達するとのことで、グランドピアノのような重量物を置くことができるという話にも驚かされました。

基礎工事においても、地質調査に基づき、支持層まで確実に杭を打ちこみ、圧倒的な鉄筋量が投入されています。こうした完成したら見えなくなる部分も徹底し、真に200年先まで続く住宅を建てていました。

天井まで伸びるガッシリとした大黒柱と広い空間に感動

魅力溢れる工務店

天然乾燥材は数値が一定になりにくいため、規格上では低く評価されがちです。しかし、時間をかけてじっくり乾いた天然材の方が住宅という長く住むものとしての本質的な強度は高いといいます。

大喜工務店では広告宣伝費をかけず、営業マンを一人も置いていません。それでも、自ら調べて、あるいは人伝で、家を建てたい方が絶え間なく訪れるといいます。

玄人好みする工務店だと言われる大喜工務店の魅力は他にも、契約金が後払いであったり、一切妥協なく安心安全健康のための家を建てていたり、極限までコストダウンを行い内容に比して考えられない費用感で家づくりをしていたり、語りつくせないほどにありました。

家を建てる時には是非相談したいと私情まじりに思うばかりでした。

根羽村での今後に向けて

私たちが1年間で行っている木材乾燥試験で何が必要か、また、大喜工務店に使いたいと思ってもらえるモノを根羽村で作るなら、何をどう用意するか。

滋賀の地で、数十年後の未来を見据えて木を鍛え、“すごい”家を建てている大喜工務店、本当に良いものをつくるとはどういうことか、その姿勢を学び、改めて考える機会となりました。