2025.07.28
「音や触れること」木と音のワンダーランドでヒノキの音が鳴る
木の球がレールをコロコロ転がっていきます。
すると、転がった球がヒノキの丸い棒に当たり、軽やかでやさしい音が鳴っていきます。
木球を追いかけながら耳を傾けると、聞き覚えのあるメロディが聞こえてきました。

【音の道】-根羽村のヒノキversionでは、レールと丸棒の木琴は100%長野県根羽村のヒノキを使用しています。
安城市民ギャラリーに根羽村産の木材を使った作品が登場
安城市民ギャラリーにて開催されている「つちやあゆみ展 木と音のワンダーランド」、木のぬくもりに溢れた空間で根羽村産のヒノキを使った作品が登場します。
企画展の主催者であり安城市民ギャラリー指定管理者である、エリアワン株式会社(本社:愛知県刈谷市)の井上宗一郎さんと小野麻紀さんが木工作家のつちやあゆみさんに安城市と「矢作川水源の森」環境育林協定を結んでいる根羽村産の木材の使用をご提案いただいたことで、根羽村森林組合の大久保裕貴さん、佐伯伸治さんとつながり、今回の作品が実現しました。

また、こちらの「サウンド・ランタン・スツール」の音が鳴る部分と格子の部分にも根羽村のヒノキが使用されています。
根羽村にある木についてお話しする中で、森林組合で材料を加工する際に出てきた端材など、そこにあるものを作品に活用いただきました。
流域の中で木がつなぐ
会場では安城市と長野県下伊那郡根羽村が取り組む環境保全活動と、SDGs に関する取り組みについても紹介いただいています。

根羽村森林組合の大久保裕貴さんは最初に連絡をいただいた時、いろんな人が木に触れてもらえる機会となるコラボへ積極的に協力していきたいと思ったそうです。つちやさんへヒノキをお送りした時に「暖色でヒノキの木目が綺麗でうれしい」と連絡をいただけて良かったと、今回の作品づくりを振り返っていました。
みなさまからのメッセージ
根羽村のヒノキで制作するというお話をいただいたとき、本当に嬉しく思いました。ちょうど「音の道」に使う木材を探しており、音を鳴らす材はヒノキと決めていたのですが、レールや小パーツまでも100%ヒノキで作れるかもしれない—そんな可能性に心が躍りました。
急なお願いにもかかわらず、大久保さんと佐伯さんが快く対応してくださり、美しいヒノキ材を届けてくださいました。おかげで、完成が難しいかもと心配していた「サウンド・ランタン・スツール」も、無事に仕上げることができました。
作品からは、木目と同じようにやわらかな音が響きます。私が目指している「木が育った土地の人々に、耳を通して“自分たちの木”を感じてもらう」という想いがかたちになったように感じます。
ご提案くださった安城市民ギャラリーの皆さま、根羽村森林組合の皆さまに、心より感謝申し上げます。そして木を育ててくださった皆さま、良い音を育ててくださり、ありがとうございました。
なお、送っていただいたヒノキ材はまだ少し手元にありますので、今後大切に使わせていただきます。
つちやあゆみ
この度は、根羽村の木材とアートとをつなぐ架け橋として、少しでもお役に立てたことを大変光栄に思います。
展覧会開催にあたり、根羽村森林組合の皆さまには多大なご協力をいただきました。その木材が、つちやあゆみさんの感性によって音と動きのあるあたたかな作品となったことを、私たちも嬉しく思います。
今回の展覧会を通して、多くの方々にアートに親しんでいただくだけでなく、木のぬくもりと、その木を育んできた豊かな森にも想いを馳せていただけましたら幸いです。
安城市民ギャラリー指定管理者・エリアワン株式会社 井上、小野